2026年、長尺の「ブルームスティック」パターが再びツアーで注目されている。PGA TOUR、DP World Tour、PGA TOUR Championsでの優勝例を、選手・大会・実使用モデルごとに整理した。さらに、一般的な33〜35インチのパターとの違い、アンカリングのルール、日本で選ぶ際の注意点も解説する。
2026年に長尺パターで勝った6選手とモデル
スマートフォンでも比較しやすいように、選手ごとに情報をまとめた。長さは確認できた数値のみを掲載し、未公表・未確認のモデルは推測しない。
使用パター比較一覧(6選手)
1.アクシャイ・バティア
使用パター:Odyssey Jailbird 380
優勝大会:アーノルド・パーマー招待
長さ:44インチ
2.ダン・ブラッドベリー
使用パター:PING PLD Oslo XL Proto
優勝大会:Joburg Open
長さ:未確認
3.ベルント・ヴィースベルガー
使用パター:Odyssey S2S Tri-Hot Jailbird ZT
優勝大会:Volvo China Open
長さ:未確認
4.エウヘニオ・チャカラ
使用パター:PXG Battle Ready II Apache
優勝大会:KLM Open/イタリア大会
長さ:未確認
5.ダレン・クラーク
使用パター:L.A.B. Golf MEZZ.1 Max
優勝大会:American Family Insurance Championship(ペア戦)
長さ:未確認
6.ビジェイ・シン
使用パター:L.A.B. Golf DF3
優勝大会:SAS Championship
長さ:未確認
※パターの長さは選手の使用仕様と市販仕様で異なる場合があります。
重要:チャカラはシーズン途中にTaylorMade Spider Tour Sへ変更し、10月のDP World India Championshipを制した。インド大会の優勝パターをPXGの長尺モデルと混同しないこと。ダレン・クラークの優勝はペア戦である点にも留意したい。
実物写真:PXG Apache Battle Ready II

長尺パターとは? 33〜35インチとの違い
一般的なパターは33〜35インチ程度が中心。一方、長尺パターは胸元付近まで届く長さを使い、上下の手を離して握る「ブルームスティック」スタイルが代表的だ。たとえば44インチは約111.8cm、48インチは約121.9cm、50インチは127.0cm。長尺という名称だけで全モデルが同じ長さになるわけではない。
長いシャフトでは、上側の手を高い位置に置き、下側の手で振り子のようにヘッドを動かす。手首の細かな操作を減らしやすい一方、通常尺とは姿勢・視線・ストロークの感覚が大きく変わる。
なぜプロが選ぶ? メリットと弱点
メリット:手先の動きを抑え、ストロークを組み立てやすい
長尺を選ぶ理由の一つは、手首や指先の過剰な操作を抑える意識を持ちやすいこと。短いパットでフェースの向きを安定させたい選手や、従来の打ち方に違和感がある選手にとって、試す価値のある選択肢だ。ただし、誰でも自動的に方向性が良くなるわけではない。
弱点:距離感・セットアップの習得に時間がかかる
長尺にするとグリップ位置、ボールとの距離、ヘッドの振り幅が変わる。特にロングパットでは、従来の感覚で振ると距離が合わない場合がある。まずは1〜2mの方向性だけでなく、5m・10m・15mの距離感を試打で確認したい。
ブルームスティック、アームロック、ゼロトルクは別の概念
ブルームスティックは長いシャフトを使い、手を上下に離して構えるストローク方法。アームロックはグリップを前腕に沿わせる方法。ゼロトルクはヘッドの重心とシャフト軸などの設計に関する表現で、長さや握り方を示す言葉ではない。L.A.B. Golfのモデルを見ても「ゼロトルク=必ず長尺」ではない点に注意したい。
長尺パターはルール違反? アンカリング禁止を正確に理解
長尺パターの使用自体は禁止されていない。R&Aの規則10.1bで禁止されているのは、ストローク中にクラブや握った手を体に固定したり、前腕を体に固定してアンカーポイントを作ること。体や衣服に単に触れているだけで、固定していない場合は直ちに違反とはならない。
胸元に近い位置で握る場合も、上側の手を体に押し付けて支点にしないことが重要。競技で使う場合は、R&A公式・規則10の図解と説明を確認したい。
購入前に確認したい5つのポイント
- 長さ:身長だけで決めず、自然に立ったときの手の高さと前傾姿勢を確認する。
- ライ角:ヘッドのトウ・ヒールが極端に浮かないかを確認する。
- グリップ:上下の手を離して握れる長さ・太さかを確認する。
- ヘッドの感覚:方向性だけでなく、長い距離でのタッチを試す。
- 流通と保証:ツアープロトタイプ、海外仕様、日本正規販売品を区別する。選手の使用モデルと市販品が完全に同一とは限らない。
日本で買える? ブランド別の探し方
Odyssey:Jailbird系でも通常尺・中尺・長尺で仕様が異なる。モデル名とインチ表記を必ず照合する。
PING:PLD Oslo XL Protoは選手使用のプロトタイプ。名称が似た市販品を同一モデルと断定しない。
PXG:Apache系の市販品があっても、ツアー使用の長尺仕様・重量・シャフト構成まで同じとは限らない。
L.A.B. Golf:MEZZ.1 MaxとDF3には仕様の選択肢がある。長尺向け仕様と通常尺の違い、国内注文条件、納期を販売店に確認したい。
価格、国内在庫、長尺仕様の販売可否は変動するため、確認できていない情報は断定していない。
優勝パターから読み解く3つの注目点
1. 長尺でもヘッド形状は一種類ではない
OdysseyのJailbird系、PINGのOslo系、PXG Apache系、L.A.B. GolfのMEZZ.1 Max/DF3は、同じ長尺のカテゴリーでも形状・アライメントの見え方・重量配分が異なる。選手の成功例を参考にする場合は、単に「長尺だから入る」と考えず、構えた際に目標線へ合わせやすいかを確認したい。
2. ツアーでの成功例と市販品のスペックは区別する
プロのクラブはシャフト長、ライ角、グリップ、ヘッド重量、アライメントマークなどを個別に調整していることがある。例えば「PING PLD Oslo XL Proto」という名前のProtoは試作・ツアー仕様を示すもので、店頭の似た製品と同一とは限らない。使用選手のモデル名を見つけても、そのまま注文せず、販売店に実際の仕様を確認したい。
3. 2026年の優勝例は男子3ツアーに分布
PGA TOURのバティア、DP World Tourのブラッドベリー・ヴィースベルガー・チャカラ、PGA TOUR Championsのクラーク・シンと、年齢層も競技環境も異なる選手が採用している。ただし、これは長尺が通常尺より優れることを証明する統計ではない。選手ごとのストローク課題や好みが違う点が重要だ。
長尺パターの選び方:試打で見るべき数値と動作
シャフト長:44・48・50インチの差
44インチは約111.8cm、48インチは約121.9cm、50インチは127.0cmで、44インチと50インチの差は約15.2cm。身長だけで長さを決めるのではなく、構えたときに上側の手が無理なく収まり、肩が緊張せずストロークできる位置を探す。バティアの44インチは報道値であり、他選手の長さは未確認だ。
ライ角と目線:狙った方向に構えられるか
長尺にすると手元の位置と前傾角が変わり、適切なライ角も通常尺と同じとは限らない。ボールを置いたときの目線、フェースの向き、トウやヒールの浮き方をチェックし、無理に直立した姿勢を取らないことが大切。
ヘッド重量と振り子の感覚
長尺化するとヘッドの重さの感じ方やストロークのテンポが変わる。軽く感じすぎると手先で操作しやすくなり、重く感じすぎると距離感が合わせづらいこともある。試打では同じ長さだけでなく、可能なら異なるヘッド重量やグリップ構成も比較したい。
練習方法:15分で通常尺と比較する
- 1〜2mを各10球:同じラインから通常尺と長尺を打ち、成功数だけでなく打ち出し方向のばらつきを確認する。
- 5mを各5球:カップからの平均残り距離を比較し、強すぎ・弱すぎの傾向を調べる。
- 10〜15mを各5球:ロングパットの距離感を確認。ショートパットだけ良くても、長距離で大きく外すなら調整が必要。
- 最後に再度1m:疲れた状態でも同じセットアップが再現できるかを見る。
これは試打・練習用の比較方法であり、特定モデルの性能を保証するものではない。
2026年の注目データ:バティアのパッティング
バティアはアーノルド・パーマー招待でOdyssey Jailbird 380 Longを使用し、週を通してStrokes Gained: Putting +10.605を記録したと報じられている。優勝と長尺パターの関係を考えるうえで注目すべき数字だが、この1大会の結果だけで長尺の優位性を断定することはできない。出典:2026年PGA TOUR優勝パター集計
関連記事を読む前に:モデル名の表記について
バティアのパターは媒体により「Jailbird 380 Long」「Jailbird 380」「Jailbird 360 Broomstick」など表記が異なる場合がある。本記事では主要な使用モデル紹介に合わせてJailbird 380と記載し、細部仕様の一致は保証しない。
まとめ:長尺は「流行」よりも自分のストロークとの相性
2026年のツアーでは6人の優勝例が確認され、ブルームスティック型が一部のトップ選手に選ばれている。ただし、勝因をパターの長さだけに帰することはできない。購入を検討するなら、通常尺と同じ距離・同じラインで試打し、短い距離の再現性と長い距離のタッチの両方を比べよう。
出典・参考資料
Golf Monthly:2026年の長尺パター優勝選手と使用モデル
R&A:ゴルフ規則10.1b
PGA TOUR:長尺パターの使用動向
※商品画像は参考資料です。掲載モデルと選手のツアー使用品の細部仕様は異なる場合があります。

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